高校生になると少しずつ生意気になってくる。そんな頃に、やはりラジオから流れてきた声に心がふるえた。それは秋田出身の因幡晃である。『わかってください』や『別涙(わかれ)』は、聞いたことのある方も多いだろうし、カラオケで歌うオジさんもいるだろう。その当時、黄色いコーヒーカップを買った記憶があるが、あのカップはどうしただろう? このアルバムの中に『秋田長持唄』と言うのがある。「蝶よ、花よと育てたむすめ...」と言う、娘を嫁に出す歌だ。秋田出身であり、今でも秋田を活動の中心としている因幡晃であるが、話を脱線させると《秋田蘭画》をご存じだろうか。ここで話が高橋克彦の『写楽殺人事件』に繋がるのである。このミステリーの中で高橋克彦は、写楽を《秋田蘭画》の画家ではなかったかとの仮説をうち立てている。では、《秋田蘭画》とは何か? と言うような話題は、因幡晃の中でするわけには行かないので、割愛することとする。決して、知らないわけではないよ。念のため! 今の時代のラップやヒップ・ホップが悪いとは言わない。けれど、陽水や因幡晃のなどの歌に青春の時期を過ごせたことは良かったことと思う。果たして若い人たちは、今の歌を大人になるまで、そしてオジさんになるまで覚えているだろうか。年を取っても、懐かしく思い出すだろうか。メールでのコミニュケーションの中で、ふと行間を感じとるなんて事はあるのだろうか。きっと、「何か言い忘れたようで...」なんて言っても伝わるものはないのだろう。しかし、我らの親の世代も、同じように思っていたのかも知れない。こんな事を考えること自体、どっぷりオジさんなのだろう。まだまだ、人生半ばなのだがねぇ... |