ぼくはネコ。 ガラスで造られた猫。 ぼくは、恋をしたよ。 ガラスの猫の分際で、なんて言わないでね。 だって、とってもかわいいんだもん。 ぼくが生まれてから出会ったなかで、いちばん綺麗なヒト。 いつも憧れているんだ。 でも、ご主人様はふり向いてくれない。 ぼくがヒトになれたとしても、相手にしてくれない。 わかってるけど、淋しいなぁ... ぼくは、恋をしているよ。 すてきなご主人様に。 かわいいご主人様に。 きれいなご主人様に。 でも、想っているだけでいいんだ。 遠くから見とれているだけでいいんだ。 だって、ぼくはガラスの猫だもの。 なんにもできないんだもの。 ご主人様を守ってあげることもできない。 それでも、恋してるんだ。 誰にも言わないけど、恋してるんだ。 ぼくが、自分一人で好きでいるのは自由だよね。 遠くから見ているなら、ご主人様も許してくれるよね。 それも、ダメかな... ぼくはネコ。 ご主人様は、とってもかわいいヒト... |