ガラスの猫 Vol.04[2006/11/11]



ご主人さまはぼくをぜんぜんかまってくれない...

 ぼくはネコ。ガラスでできたネコ。

 ある日、ご主人さまはかぜをひいてしまったらしい。
人にうつすと治ると言うけど、僕にうつしても治るかな?
ぼくはガラスだから、かぜなんてへっちゃらさ。
はやく元気になってね、ご主人さま。

 ある日、ご主人さまは白いガラスの花を見つめてる。
好きなヒトからもらったのかな?
ぼくとどっちが大切なんだろ?
ときどきは、ぼくのことも思い出してね、ご主人さま。

 ある日、ご主人さまはヘンな絵を見てる。
なんだか、時計がふにゃふにゃだ。
よくわかんないけど、おもしろい絵。
だれかと、どっかに行くのかな?
ぼくも連れてってくれるかな?
最近、ご主人さまはぼくをぜんぜんかまってくれない。
もう、忘れちゃったのかな、飽きちゃったのかな?

 ぼくはネコ、ガラスの猫。
ご主人様は、とってもかわいいヒト。