ガラスの猫 Vol.02[2006/10/29]



百万回の「かわいいなぁ」、きっとそれも届かない...

 僕はネコ。ガラスでつくられた猫。

 ある日、気がつくとシマがご主人様の布団に潜り込んでる。
どうせ、すぐでてくるくせに。
ぼくだって、ご主人様の布団にもぐり込みたいよ。
ちっちゃすぎて、つぶされちゃうかも知れないけど、
もぐり込んで、胸の谷間にちょこんといたいよ。
でも、見てるだけなんだな。

 ある日、ご主人様はニヤニヤしてる。
なんかいいこと、あったのかな?
嬉しそうなご主人様を見てると、僕も楽しくなる。
いっぱい、いっぱい、いいことあればいいのに。

 ある日、ご主人様が僕を外に連れてってくれた。
ポケットにいれて、お散歩だ。外を見るのは初めてだなぁ。
公園で、おべんとう。
僕はお弁当の横でご主人様を見つめてる。
ご主人様はかわいいなぁ。
百万回「かわいいなぁ」って言ったら、
ご主人様に届くだろうか?

 僕はネコ。ご主人様は、とってもかわいいヒト。