お酒の詩[2005/05/15・Vol.04 愛宕山'T']




東京産にこだわる...

 'T'は、間違いなく『東京』の《T》であり、田崎の《T》であろう。ソムリエ-田崎真也-は、私と同じ年である。私が優っているのは、髪の毛の数くらいであろうか...
 ここは港区の愛宕山にある。虎ノ門から愛宕通りを東京都タワーに向かってくると右側である。若い人なら、愛宕ヒルズのちょっと手前と言った方がわかりやすいかも知れない。
 さて、「大鳥居」をくぐると、「出世の階段」と言われる急勾配の石段がある。この階段は結構登りがいがあり、途中で後ろを振り向くと大変なことになる。「出世の階段」の言われは、愛宕神社のHPをご覧くださいな。石段を登りきると「一の鳥居」があり、その先に「丹塗りの門」が見える。上の写真は「丹塗りの門」で、その先が「神殿」だ。この神社は、鬼平もよく参拝に来たものだ。お賽銭を投げて「二礼二拍手一礼」。さて、何を祈ろうか。
 お参りをし、戻ろうとすると、「一の鳥居」のすぐ右側(登ってきたときは左側)に建物があることに気づくだろう。ここが、'T'である。もともと神社には御神酒がつきものだが、ようやくお酒にたどり着くのである。
 'T'のコンセプトは、《東京都産》。料理の素材も、お酒も、東京都産にこだわる。例えば、三鷹のジャガイモとか、町田の卵とか、青梅の柚子胡椒とか。もちろん、焼酎・日本酒・ビールなど全て東京都産。「東京もまだまだ捨てた物ではないゾ!」と思わせてくれるのであった。
 ここで久しぶりに出会ったのが、《多摩の恵-ペールエール-》だ。例の石川酒造のビールである。このビール、まるで果物で造ったような感じ。何とも、いい感じなのである。石川酒造では、季節限定品がいろいろ出る。これも結構楽しみである。ちなみに、現在はペルジャンウィットで、6月の限定品はヘレスとのこと。いずれも、「とりあえず、ビール!」などという物ではないのだ。ゆっくりと、味わいたいビールである。
 'T'には、ランチタイムもあるし、ティータイムもある。愛宕山に登るのは、エレベータもある。しかし、のんびりと石段を登り、ゆっくりとビールを飲み、東京の食材を楽しむ。そんな一夜があってもいいのではあるまいか。さてと、お相手は誰?
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