My Favorite[2003/07/13・Vol.01 尾崎紀代彦]




1970年の思いで...

 小学校5年生の時だと思う。そのころは、まだ紅白歌合戦やレコード大賞・歌謡大賞などが全盛期の頃であった。ようやく音楽に目覚め始めた時、耳に一番入って来たのは『尾崎紀代彦』だった。パンチの効いた歌にしびれてしまった。初めて買ったシングルレコードは「あのとき君は若かった」である。
 その当時家にあったステレオは、幅60cm×奥20cm×高25cm位のもので、ちゃんとスピーカーが左右についてた。それまでは〈ソノシート〉と言われるペラペラの半分透き通ったモノラルの物しか聞いたことがなかった。「スーパージェッター」とか「宇宙少年ソラン」とか。自分で初めて買ったレコードは、左右それぞれ違う音が出てくる。ステレオという意味が初めて分かったのである。
 さて、尾崎紀代彦にしびれてしまった自分は、親にねだってアルバムを買ってもらった。そのうちの1枚が「尾崎紀代彦−ファーストアルバム」である。このアルバムはすべてカバー曲で、日本の歌はない。それがますます新鮮で、レコードを聴きながら何度も歌ったっけ。そのお陰でこの中の何曲かは、カラオケのレパートリーに入っているのである。発音がおかしいのは、この当時意味も分からず聞いたまま歌っていたからであろう。英語として聞いていたわけではなく、まぁ、5年生だから...