お散歩[2006/03/19・Vol.13 三鷹・銀座・上原]




心安らぐもの...

 3月18日、心の安らぎを求めて散歩に出かけた。まず目指したのは、三鷹のグラバー亭。ここの皿うどんが食べたくて、わざわざ鶴川から三鷹へ出かけた。三鷹の南口は現在工事中で、昔と大きく変わったわけではないが、微妙に異なっている。新しいお店もまだ準備中で、すべてが新しくなるのは4月に入ってからではあるまいか。
 三鷹のグラバー亭でお昼を食べていたのは、もう5年ほど前であろうか。もっと経つかな。当時この近辺に勤めており、呑んだり食べたりは三鷹駅近辺が多かった。いくつか決まったところがあったが、その中の一つがグラバー亭であった。ここで他のものを食べた記憶はあまりない。ほとんどいつも皿うどんである。当時4人いた板前さんは今は一人となり、配膳のおばさんは健在であり、若い人が増えていたが、息子さんであろうか。
 着いたのは2時半近かったが、土曜日は20時まで連続営業。平日は、14:30〜17:30は休憩となる。毎週日曜日と第2・4土曜日はお休みとのこと。まずはカウンターに座り、躊躇なく皿うどんを注文する。ここのはアツアツのアンもうまいが、麺がうまいんだよね。細めでカリカリと歯ごたえがある。食べ終えたときは顎が疲れるくらいだ。ふうふう言いながらほおばる。アサリがぷっくり、エビはプリプリ。三鷹まで来た甲斐があったナァ。
 さて、満腹になったところで、銀座へ向かう。与勇輝の人形を見るのだ。もう7〜8年昔と思うが、川口湖畔にある河口湖ミューズ館へ行った。まだ、ハリアーを買ったばかりっだた気がする。思い出してみると、それから5年後、やはり河口湖の一竹辻が花を見て、余り日が経たないうちにハリアーは盗まれてしまった。
 与勇輝の人形に話を戻すと、何とも心安らぐ人形たちである。みんな自分の足で立っているのも、素晴らしいところだ。そして、どこかで見たことあるような顔ばかり。「ほら、あの人」って誰もが思う。懐かしい時代設定も、心安らぐ一つかもしれない。むかしは、みんなああだったんだよね。どろんこになった遊んでさ。ちょっと人が多すぎるのは難点だったけど、久しぶりにほのぼのとした気分になりました。じっくり見たかったら、河口湖に行きなさい。湖畔には色々あって、一日では廻り切れませんよ。温泉もあるので、のんびりしてはいかがでしょう?
 銀座の人混みを離れて、日比谷方面へ歩く。もう寒くないので、散歩にはもってこいだね。もうしばらくしたら桜が咲いて、皇居の回りも人であふれるのでしょう。千代田線の日比谷駅から地下鉄に乗り、終点の代々木上原で降りる。前から気になっていたのは、電車の窓から見える丸い天井のモスクと尖塔。イスラム教はよくわからないけど、建物として魅力的だった。
 駅を降りると丁度雨が降り出した。リックの中には、傘も入っている。大した雨ではなく、降ったりやんだり。でも、雲で空は薄暗く、外観はあまりいい写真が撮れないようだ。もっとも、晴れていても少し離れないと全体は入らない。写す方向によっては、新宿の高層ビルがいい背景となる。夜は夜で、ライトアップされると幻想的で素晴らしい。「入っていいのかな?」と思いながら、思い扉を押してみる。ここはモスクだけでなく、トルコ文化センターの役割も果たしている。そのためか、中にいた人も親切だ。写真も個人的なものならOKというし、わからないことがあったら、何でも聞いてくださいと達者な日本語が返ってくる。
 1階は文化センターで、礼拝堂は2階にある。靴を脱いで礼拝堂にはいると、先客が一組だけ。若いカップルだったが、女性はちゃんと髪をマフラーで隠していた。その二人が帰ると、礼拝堂に一人となる。絨毯が素足に心地よい。そして高い丸天井。何ともイスラムの香は幻想的だ。イスラム教に偶像礼拝はないらいしい。モスクの中は、ある意味がらんとしている。田舎が寺院でありながらも無宗教の私でも、何となく冷厳な気持ちになる。しばらく、一人でぼーっとしていた。
 ふと、トルコに関連することを思い出してみる。大学時代友達が世界旅行に出かけ、トルコにしばらく滞在していた。篠原千絵の「天は赤い河のほとり」と言う漫画があった。高橋克彦の「竜の棺」ではカッパドキアなどが出てくる。吉祥寺にはPamukkaleと言うトルコ料理のレストランがある。五木寛之の小説にもいくつか出てくる。遠い国だけど、何となく親しみを感じる国だ。
 ちょっとだけ異国情緒を感じたが、思うに長崎も異国の香のする町だ。もっとも行ったことはないが。トルコも長崎も、行ってみたい場所である。いつか、旅行記で書けるといいのだが。





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